立ヶ畑(たちがはた)堰堤
G
W
Ver.1
石井ダムから更に下流へ下っていくと、といっても下りとはいえ徒歩で3キロ位テクテク歩いて行くと立ヶ畑堰堤に着く。
えーっ?!3キロも歩くのーっΣ(゚∀゚ノ)ノ ってなりそうだけど、まぁ確かに距離はあるんだけど、道中色々と見どころがあるんですよココ。
とはいえ、到着した時間がちょっと遅目だった為、西日が〜逆光がぁ〜な状態でほとんどまともに写真を残すことが出来てないのですがorz
石井ダムから整備された道を歩いて行くと、神戸市の鈴蘭台処理場の前を通る。こちらの施設は一般公開はしていないが、トイレは自由に使えるよう開放してくださっている。子どもがお世話になりました。ありがとうございました。
鈴蘭台処理場から更に500m位進むと謎の建造物が目に入ってくる。中世のお城のいち部分のような、秘密結社のアジトとか言っても通じてまうんとちゃうか?とか思うようなのがいきなり出現するのだ。
森の中にひっそりと、それでいてしっかりと存在感をアピールしている暗渠(あんきょ・蓋をされていて中が見えない水路)。放水門て銘が彫られてる。
反対側には水門らしきものが。どうやらこれが締切堰堤と呼ばれるもののようだ。右奥の方(写真撮り損ねてるw)に烏原貯水池に向けて取水している取水堰があるのだが、そこで余った水と、石井ダムに繋がる石井川の水が流れてくる暗渠(写真右奥)からの水を烏原貯水池には入れずに、下流に流してしまうような設計になっている…らしい。
締め切ってるのでゲートは降りたまま。こちらも装飾が色々されていて、神戸らしいなぁと感じてしまう。
周辺の散策路の柵は石組みなものが見受けられ、これがまた苔むしていてイイ味出してんだわこれが。(うっとり)
そこから少し歩いたら貯水池の畔に到着する。
おお、立ヶ畑堰堤の堤体がやっと見えたー(∩´∀`)∩。立ヶ畑堰堤は、日本で4番目に古いコンクリートダムなんだそうだ。日本最古のコンクリートダムは神戸市内にある布引五本松堰堤(布引貯水池)だ。
ワタクシ出身が神戸市なので、地域の勉強の際に、水源地についても学んでいるわけだが、すべて「貯水池」という名前で学んでいた。なので「烏原貯水池」と言われると「あー社会で勉強したなー」と思い出すんだが、「立ヶ畑堰堤」という言葉は一度も出て来なかったので、名前を知った時もなかなか紐付けることができずにいた。
多分神戸っ子ならば「布引貯水池・千刈貯水池・烏原貯水池」って言葉はなんとなーく記憶にある人もいると思う。水源地としての認識ではそれでもいいんだろうけど、堰堤自体についてももっと学ばせてもいいんでないかなと思う。日本最古の重力式コンクリートダムによって出来た人造湖なのだよーとか言われたら「かっこええやん」て印象付くと思うんだけどなぁww…( ゚д゚)ハッ! 脱線しましたゴメンナサイw
大正三年拡張の文字が。歴史を感じる。1914年に2.7mの嵩上げ工事が行われていて、それを示すものらしい。上水道のダムだと水質保全の為、天端の通行が禁止されてたりすることが多いが、こちらは天端通行が可能となっている。
堤体はゆるやかなカーブを描いている。あくまでも重力式として力が作用する設計なので、アーチダムではなく、曲線重力式コンクリートダム。…ひょっとしてこの形式は私の中では初ダムではないかしら?(ゴクリ)。
下流側を望む。板状の減勢工?と思ったが、どうやら沈澄池(ちんちょうち)と呼ばれるもので、下流に流れてきた水をここを通すことで水質を改善させる仕組みがあったようだ。今は浄水施設が整備されているので、この仕組は使われていない。
立ヶ畑堰堤は、経済産業省が認定している「平成20年度「近代化産業遺産群続 33」(経済産業省ホームページ)」に認定されている。
天端の設備等、もっとじっくり見たかったのだが、訪問日は猛暑の日で、石井ダムからずっと歩き通しだった息子が体力の限界に近づいていたので、とにかく駅までたどり着かねばならぬと見学を中断し、慌てて移動したので後悔の残るものとなった。また機会を作ってじっくり見て回りたいなぁと思う。
■DAM-DATA
ダム番号 | 1465 |
型式 | 越流型曲線重力式コンクリートダム |
ゲート | クレストゲート×4門 |
ダム湖名 | 烏原貯水池(からすはらちょすいち) |
所在地 | 兵庫県神戸市兵庫区烏原町 |
河川名 | 新湊川水系石井川 |
堤高・堤頂長 | 33.3m・122.4m |
総貯水容量 | 1248千㎥ |
管理者 | 神戸市 |
Web | 烏原貯水池のあらまし(神戸市ホームページ) |
本体着工/完成年 | 1901年/1905年 |
0 comments:
コメントを投稿