2018/05/23

日本水準原点・電子基準点「東京千代田」を見てきました


日本水準原点標庫

6月3日は、測量の日です。(と言いながら公開間に合わせられずorz)
Wikipediaさんによると、「日本で測量の意義及び重要性に対する国民の理解と関心を高めることを目的として、1989年(平成元年)に建設省(現在の国土交通省)によって6月3日と制定された。 1949年(昭和24年)6月3日に「測量法」が公布されたことに由来する。」とのこと。
そんな国土を利用する際に重要な測量を行うにあたっての日本の基準点が国会議事堂の近くにある。

東京都千代田区永田町一丁目。国会議事堂の直ぐ側に、衆議院憲政記念館という、日本の議会政治に関する展示施設がある。余談だが、この場所はその昔、彦根藩の上屋敷があって井伊直弼が住んでたり、明治時代には参謀本部・陸軍省が置かれたりしていたらしい。

建物のピロティには、「憲政の神様」「議会政治の父」と呼ばれた尾崎行雄氏の銅像がご挨拶。すすすスミマセン、今日はちょっとこちらには寄らずにお庭の方失礼します~~(スタタタ

平日だというのに、なんとなく人が集まってるぞ…?(白々しいw)

ハイ、本日の目的はこちらの建物(の中)であります。日本水準原点。…を保護するために作られた建物、日本水準原点標庫と言います。
小さいけれど、よくよく見ると手の込んでいる建物だぞ…?なんでもローマ風神殿建築に倣ったトスカーナ式って様式の模範建築で、東京都指定有形文化財(建造物)にも選ばれているご立派な建物…だそうだ。
今日は測量の日にちなんだイベントの一つとして、年に一度、特別に中を見せて頂ける日ということで(職場が近いこともあり)ちょっと見学にやってきました。


国土地理院の職員さんがいらっしゃって、資料を展示してくださっていました。日本水準原点というのは、測量を行う際の基準の高さを示している施設です。注意したいのは、原点って聞くとここが「ゼロ」って思ってしまいがちなんですけど、そうじゃないw。地理で言う高さ、いわゆる「標高」はざっくり言うと海面からの高さのことなんですよね。海抜、とか聞きますよね(海抜はこれまた基準が違うんだけど、それは一旦置いといて←)。実際のところは、海面の高さは潮の満ち引き等で日々変わるので、一定期間からの平均を算出したもの(平均海面)が使われていのだそうだ。


で、日本の海面の基準はT.P.(Tokyo Peil:東京湾平均海面)を基準にして、そこから24.500m(当時)の位置がココですよ!…と定めたのが日本水準原点なのだそうだ。当時って付けたのには当然理由がある。この施設を作った1891年はT.P.+24.5000mだった。ちょっとしたことで位置がずれてしまってはいけないので、基礎を10m掘り、地震とか起きても大丈夫なように配慮して建設されたのだが、1923年の関東大震災で地殻変動が起きて高さが変動。再測量の結果T.P.+24.4140mに改定された。長らく「T.P.+24.4140m」が水準原点の高さだったのだが、更に変動が起きる。…そう、2011年の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)だ。この時に24mm沈下したことにより、水準原点の標高はT.P.+24.3900mに改正されて今に至る。

T.P.の基準点ってどこの海面なのよ?…ってのも教えてもらえた。T.P.が定められるまでは、各地の主要河川の河口の水位を測って基準としていたんだって。なので、主要河川の河口には「量水標」と呼ばれる潮位を測る験潮場があったのだそうだ。その中の一つ、当時の隅田川の河口に位置した霊岸島(東京都中央区新川付近)ってところにあった量水標の潮位を東京湾平均海面と定めたのだそうだ。
…で、終わらないんだw。
職員さん「ただね、今は霊岸島じゃないんですよw」
私「えーっ?!どこなんですか?」
職「油壺♪」
私「えーっ?!油壺ってあの油壺?!(←どの油壺だよw」
職「そそ、三浦半島の。」
私「なんで霊岸島で測るのやめちゃったんですか?」
職「霊岸島、もともとは隅田川の河口だったんだけど、東京湾の開発が進んで河口じゃなくなったんだよね」
私「海じゃなくて川になっちゃった?」
職「んまぁそんなところ。大雨とかの増水の影響とか考えられるので、別の場所で測ろうってことになったんだ」
私「なるほどぉ~φ(..)」

なんてお話を伺いながら、日本水準原点標庫へ。通常は閉じられている扉が御開帳~ヽ(=´▽`=)ノ♪
これが日本水準原点…が示されてる水晶の棒。…あぁもう今回は説明がいつも回りくどいw。水準原点は「点」なので、この塊が水準原点って言うとちょっと違うよね、ということでw
水準原点が刻まれている水晶は山梨県産のものだそうだ。結構大きなものなんですけど、よく入手できたなぁ…。

…でまぁ、仕事場から抜け出して見学しに来たレベルで、記録はスマホという体たらくなんですが、ちょっとお近づきになって写真撮ってみたりなど。近づけば近づく程緊張してしまって手がプルプルして結局まともに撮れなかったんですがorz
ここでも解説を頂きました。
職「水準原点の目盛り、逆さまに刻印されてるんですよ~」
私「えっ?…(マジマジとみる)…ホントだ逆さまだぁ」
職「昔のカメラって、レンズが増えると暗くなってしまうので、できるだけ測量機のレンズ減らした結果なんだよw」
私「水準原点、お前が測量機に合わせろ!的な?」
職「あははは、まぁそんなところw ちょうど、測量機持ってきてるんで、見てみてください」
私「えっ、測量機覗かせて頂いて良いんですかぁ?(きゃぁぁぁ)」
職「そ、、、そんな喜ぶようなアトラクションじゃないです…w」

というわけで、測量機さんちょっと覗かせていただきます(゚A゚;)ゴクリ

ちょっと調子乗って測量機のレンズ越しにスマホでも撮ってみたんですが、緊張して手ブレしてしまいなんとなく雰囲気だけ…ww


標庫の裏側も開けてますから、見ていってくださいね~♪ とご案内頂いたので、つつつつーっと裏側に回りまして。

作られたときの陸地測量部の記名刻印。明治24年5月に建設されました。「これはホントかどうか分からないんですが…」とこちらでも職員さんのお話が。「明治24年5月に作ったから、水準原点の高さを24.500mにしたっていう言い伝えがあります」「あ、わかりやすいw」

ふと足元を見ると…底に名前が彫ってあるよ!と書かれたパネル。

しゃがみこんで覗き込んだらありました…///←なんだか恥ずかしい気分。


ぐるりと標庫見学したら、「ついでにあっちも見ていってね~♪」

にょきっと生えるあの棒は……電子基準点だー!!ヽ(=´▽`=)ノ♪ 今年新設されたばかり(3月から運用開始)の電子基準点「東京千代田」ですっ♪
全国に1300箇所ぐらいあるGNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)を利用した観測地点で、測定されたデータは国土地理院のサービスによって観測データを照会・利用することができるようになっています♪


電子基準点「東京千代田」の設備は他の電子基準点と変わらないけど、特筆すべきはその高さ。大体電子基準点の塔は高さ5mぐらいで作られるんだけど、ここは高さ7m。なんか背が高いなぁとは思ったんだけど、7m…なんで2mも高くしたのか尋ねたら、周辺の木を切らずに済む高さにしました、とのことwそういえば周辺に木がいっぱいでしたね…w

仕事の合間に立ち寄ったので、非常に駆け足での見学でしたが、いろいろなお話を伺うことができて、とても良い経験となりました。
年に一回、平日開催という特殊条件ですが、機会が合うようでしたら、一度実物を見てみるのも良いのではないかなと思いました。貴重な機会を頂きありがとうございました。

場所: 日本水準原点

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