2021/12/05

ばんえつダム倶楽部 第3回「二合田用水路探検ウォーク」

福島エリアでは、ダム好きさんを中心に「ばんえつダム倶楽部」と銘打って見学イベントを行っている。毎度楽しそうなので参加してみたいなーと思っていたら第三回目のお誘いを頂いたので、迷わず参加することにした。
早朝からスタートとのことだったので、前泊しての気合の入れよう(´∀`*)ウフフ

ホテルから安達太良山を望む

とても良い天気!期待が膨らみます(´∀`*)ウフフ。

さて今回のターゲット「二合田用水」。二本松市の北東部を中心に全長18キロメートルを流れる灌漑用水路。安達太良山中腹の烏川上流を水源とし、山腹、斜面を流れ、岳ダムの分水と合流し、二本松市、岳下地区、塩沢地区及び旧市内と安達町の一部を受益地としている。

江戸時代に二本松藩の城の防衛や城下町の衛生、防火用水を目的として、安達太良山中腹の湧水をひくために作らせたとされる。当時、城を直したりするには幕府の許可が必要で、二合田用水の工事も許可を得ることが難しく、幕府に秘密で作ることとなったという。

計画した経路は非常に難易度の高いものであった上に、秘密の工事なので、水路の測量は夜間に行われたという。数人の人夫に提灯を持たせ、その中間に線香を持ったものを配置し盆に水を満たした水平盤を提灯と線香が作る光を一致させて盆の水が流れ出すか否かによって高低を計ったといわれている。


バスで探検ウォークのスタート地まで送ってもらって、


探検開始!道端に雪がチラチラ残っていて、結構寒いw頑張って歩くぞー!

安達太良山山頂の雪解け水は、地中に浸透し、長い年月を掛けて山の中腹から湧き出ている。ずんずん進んでいくと、我々の前に川が横切った。

向こう岸へ行けというw

川をジャブジャブ渡り、さらに歩を進めると


石積みの水路に到着。苔むしてるのが実に良き。更に上流に向かって歩を進めると

大堰

大堰地点に到着。元々はここを流れる烏川から取水していた。今は二合田用水の水源地が岳ダムとなったため、役目を終えている。

水神様

ふと見上げると水神と刻まれた石碑が我々を見下ろしていた。取水経路が変わった今も、二合田用水の心の拠り所として春と秋の点検・清掃の際にはまずここへ参拝しているとのこと。
参拝の際には、大堰の水神様の好物である煮干しと酒・塩をお供えするのだそうだ。

烏川

今も流れる烏川を愛でる。とても水が澄んでいて、綺麗だった。さて、どんどん水路を歩いていく。


時折石組みに目をやりながら、


地形に沿ってくねくね曲がるラインに見惚れながら、


ここは近年の改修ですげ変わったんかなーとか思いながら、


途中いきなりWindowsの壁紙か?って言いたくなるような開けたセカイに出てきたりしつつ、


更にひたすら水路をたどり、


ときには倒れた木をくぐったりしつつ(木、でかいw)、水路を辿っていった。

途中バスに拾ってもらってワープしつつ、


今回のメインディッシュ!

岳ダム四号隧道

元々、水神様の居た大堰から取水していたが、岳ダムが出来て水源地が移ったという話は冒頭の方でしたとおり。岳ダムから二合田用水へは岳ダム一号~四号の水路で構成される幹線水路が新設されて接続している。ここはその四号水路となる。

このトンネルを歩きまーす!

入ったら、中、綺麗だったww

トンネルの一番高いところで1.75m。少し逸れると頭ぶつける位の高さ。屈んで歩かないといけないよ、と事前に話を聞いていたので緊張していたんだけど、私身長そこまで高くないので中心にいれば普通に歩けたラッキーw

トンネルの中では、たくさんのコウモリさんに会った。





みんなでワイワイ「コウモリおったー!」とか騒ぎながらカメラもライトも向けまくってるんだけど、コウモリの皆さん、微動だにせず寝てはりましたw
場合に依っては、コウモリの乱舞が観られることもあるそうで。飛んでる姿も観たかったけど、じっとしてくれてるおかげで結構じっくり観察できたのは嬉しかった。


トンネルを抜けたらそこは・・・

水路橋!


こんなとこ歩いてきちゃった❤

ここからちょっと寄り道しますよーと山を登る。途中軽い藪こぎ(参加されていた藪ガールさん曰く「こんなん藪じゃない」らしいが、ワタシ的には十分藪)をしつつ着いたのは

人面木

松の木に残る険しい顔。何かのまじないなのか、宗教的なものなのか・・・とか思ったら、戦時中にゼロ戦の燃料として使われた松ヤニを採取した跡らしい。目のように見える部分は幾筋もの細い筋が並んでいて、そこから滲み出た松ヤニを中央に集めて採取していたのかな~。そこいら中の木にこの顔があるので、なかなかの迫力でしたw

更にバスで少しワープしまして。


松の森の次は竹林。


そこにも二合田用水の水路は走る・・・二合田用水は高速道路も超えていく。

更にバスでワープさせてもらって

霞ヶ城公園から安達太良山・二合田用水水源を望む

最後に連れてきてもらったのは、二合田用水のゴール、霞ヶ城。360年ぐらい前の人々が、あの山の中腹からここまで水を持ってきたんだと思うと、ほんと凄い事業だよね。
全長18kmの美味しいところつまみ食いしながらのウォーキング、とても楽しかった!


二合田用水の事業自体凄いと思ったが、それを今日まで大切に維持管理が続けられているということも、とても大切で素晴らしいことである。地域の貴重な水源として、今後も末永く地域を潤していってほしいなと思った。

今回の見学にあたり、イベントを企画してくださったばんえつダム倶楽部の皆様、数々のご手配ありがとうございました。ガイドさんには詳細な資料のご用意をはじめ、直前まで現地のチェックをいただくなど、きめ細かいご対応を頂き、快適に見学を楽しめました。ありがとうございました。

二合田用水の探検ウォークは、定期的というわけではありませんが、二合田用水を管理している土地改良区さんによる見学会の開催実績があるようなので、今後もいろんな方に二合田用水を肌で感じてもらえる機会が出来るといいなぁと思っています。

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