山田池(やまだいけ)
G
A
Ver.1
2023年の年末は、諸事情にて実家に帰省しており、まぁ諸事情に絡む用事が落ち着いて時間が出来れば、あわよくばダムにも行けるかなぁ、位のノリでしかおらず、特段ダム巡りを考えていなかったのであるが、思いの外コトが進んだりした結果、まとまった時間が大晦日に出来てしまい・・・ちょっと行ってくるかーと神戸市北区へひとっ走り。
呑吐ダムさん、久しぶりやねぇ。っつーか、この時期にしては、どえらい水位低くないか?などと思いながらパーキングエリアに車をお留守番させて・・・
この「太陽と緑の道」ってのは神戸市が設定した自然歩道で、神戸市西区・北区の太陽と緑の豊かな地域を中心とした総延長約167kmハイキングコース。これから向かう山田池の湖畔をぐるりと散策出来るルートだったらしいんだが、近年崩落など発生した影響で、現在は山田池の湖畔の道は通行禁止となっている。
ダムまでは行けるので、行ってみるわけなのだが。いやまぁ、訪問経験のある方々から聞いてた話では、「ハイキングコースだからね(意味深)」ってアドバイスが大変に多く、まぁそれなりに足回りはしっかりとした形で行ったんだけども、前述の通り、途中から通行禁止となっているので、訪問者も結構少なそうなせいか、自然に戻りつつある感を感じつつ。
ここで合ってるんだよなぁ?まぁ、馬の背っぽい造形してるけど道だよね(よっこらせ)とか思いながら進んでいく。事前に調べた際には、入口からダムまでは600mぐらいで、時間にしても10分程度とのことだったが、近年の感染症対策に伴う引きこもりっぷりが身体に出ていて、大した高低差ではないにもかかわらず、ぜぇはぁいいつつ進むw
あの・・・道・・・合ってる・・・よねぇ・・・(泳ぎ目)。いやでも地形的に道だわこれ、という謎の確信のもと、藪こぎ?シダこぎ?で更に進む。
おいおい看板打ち捨てられてるよ、ダムに着く前で道崩壊かしら(脂汗)・・・とか思ったら眼の前に湖面が現れた。(ほっ
というわけでやってきました山田池。明治から大正にかけて、この地域では淡河川疎水事業・山田川疎水事業という2つの水利事業が実施され、淡河川山田川疎水、地元では淡山疎水と呼ばれる疎水が実現。しかしその後も開墾・入植者の増加による水需要が高く、慢性的な水不足は解消されず、補助水源として作られたのがこのダム。粗石モルタル造で、表面には花崗岩が布積みされている。真ん中には取水塔、その脇には3連の余水吐。
さぁ天端へいくぞーと歩いて行ったら、天端の向こうは通行止め。でも何か書いてありそうな白いパネル?は向こう側についていて。判断に悩む系のバリケード。とりあえず左岸側は下流へは行けないっぽい。
左岸から天端を望む。ところどころ傷んでる感じが歴史の長さを感じる。戦前に作られた農業用の重力式ダムは非常に少なく、珍しいダムと言えると思う。
天端の欄干の石もシンプルながらお洒落感のある装飾が施されてますねぇ。
天端から下流側を望む。取水塔から得た水は下の出っ張ったところから出てくるのかな~?石張りが美しいですねぇ。うっとり。
再度天端に目を向け直しまして、取水塔にお近づきになりましょう~(てくてく
山田池の銘の下の石板には由緒らしきことが書かれてたが全部は読み取れず。断片的に「毎年灌漑水ノ不足ヲ告ゲ被害甚大ナルニ鑑ミ」「国庫ノ補助ヲ得本縣々営ヲ以テ」というところは読み取れて、疎水事業のこと書いてるんだろなーと思うなど。あと、左側にスペック書かれてるんだけど、単位が「尺」だったのが戦前ダムって感じする。
扉?格子?の間からゲート室の中を覗く。半円形のゲート室の中には取水設備(バルブ)が並んでいた。現在は東播用水事業により受益地への水の安定供給がなされるようになったので、山田池は水源としての役目を終えている。よってこれらのバルブは長いこと使われていないと思われる。
取水塔の窓にはパンチングされた鉄板がはめられていた。半円形の取水塔の外側は西洋のお城のバルコニーのようだった。
天端渡りきった右岸側に説明パネルがあった。淡河川山田川疎水事業の図面、ダムの図面が掲示されていた。
取水塔の左側にある余水吐の吐口に乗ってる柱の造形も美しいのよ。そういう造形を愛でながらしばしダムを独り占め。まぁだーれも来ませんでした。大晦日だし。(大晦日じゃなくてもそんなに訪問者はいなさそうだが)
右岸側から下流側を見るとなんとなく気になる造形。。。こちら側は左岸のようなバリケードは無かったので、ちょっと辿ってみたら
水路っぽいものが続いていた。位置的に山田池に入ってくる水路?だったのかな?
葉っぱが落ちている時期なので比較的見えてる方なんだとは思うが、足元がよくわからないので深入りはせずに、遠目に眺める。天端から見下ろしたときに出っ張ってたところは取水塔からのお水の出口かな。
見上げればそこにでーんと堤体が・・・あるんだが木がいっぱいワサワサしているので隙間からこんにちはー!ww
減勢工の下流側に水の出口っぽいのがあった。ここから受益地に流れていってんだろうか。ここから下流側は谷間が続くんだけど、川っぽいものは見えなかった。
訪問前に少し雨が通り過ぎていってたようで、堤体はしっとり。規則正しく並ぶ石は間知石(けんちいし)といって、表面は四角の平面に見えるが四角錐の形をした加工石材。これを差し込むような感じで並べていく。6つ並べると一間(約180cm)になるのが名前の由来。
ダム番号 | 1473 |
型式 | 重力式コンクリートダム |
余水吐 | 自然調節方式 |
所在地 | 兵庫県神戸市北区山田町衝原 |
河川名 | 加古川水系一ノ瀬谷川 |
堤高・堤頂長 | 27.3m・78m |
総貯水容量 | 424千m3 |
管理者 | 兵庫県 |
本体着工/完成年 | 1929年/1932年 |
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